取引市場は実在しない
●実は知らないうちにやっている
「外国為替取引なんて、難しいことはやったことない」と言う人がいますが、わたしたちは生活の中で、いつの間にか為替取引を行なっています。
たとえば、海外旅行をすれば円通貨から外国通貨に両替します。帰国すれば、今度は外国通貨を円通貨に再度両替します。これも為替取引なのです。
このときに「ドル/円」などで表すのが、外国為替レートです。例を挙げましょう。旅行に出発する時に1ドル=100円で、1万円を両替したら100ドルになりました。円を売ってドルを買ったわけです。帰ってきた時に残った90ドルを円に再両替したら、1ドル=115円だったので1万350円が戻ってきました。今度はドルを売って円を買いました。10ドル減っていたのに、出発前よりも350円余分に手に入ってしまいました。
このように、通貨を取引することで損益が生じることを利用したものが為替取引です。
●取引市場は実在しない
株式取引の場合なら東京証券取引場などがあって、ここで売買取引が行われています。しかし外国為替取引には、こうした取引所はほとんど存在しません。
一般に外国為替市場と呼ばれるのは、銀行や証券会社などの金融機関同士(インターバンク)をつないだ電話やコンピュータによって取引が行われていることを指したものです。
●取引は眠らない
外国為替市場の一日の流れを追ってみましょう。まず初めにオーストラリアのオセアニア市場が開き、次いで日本、シンガポール、香港市場を経て、バーレーンなどの中東市場、そしてロンドンなどの欧州市場、最後にアメリカのニューヨーク市場で一日が終わります。ほぼ24時間、世界のどこかで取引が行われています。
●市場規模は桁違い
外国為替市場は多くの国々が参加して、ほぼ24時間動いています。その規模(取引量)は1日あたり3兆3,000億ドルに上ります(2007年)。そのうち日本市場で取引されるのは、同じく1日あたり2,500億ドルあまりです。株式などを取引する東京証券取引所と比較してみると、同取引所では1日あたり200億ドル弱であり、その規模の差は歴然としています。外国為替市場の取引量は、2010年には4兆ドル近くまで拡大していく勢いを見せています。
株式のように「売りたいのに売れない」や「取引開始と共に急激な値上がりが起きた」などの不安定要素は、外国為替取引では大きな取引量と長い取引時間によって比較的抑えられていると言えます。
